浄法寺漆とは。

国内で使用される漆のうち、国内産はわずか9.3%ほど。
漆を生産している県は現在ではわずか13道府県であり、国産漆の生産地は県別では岩手県がトップです。

国内生産量おおよそ2トンのうち、令和3年度は、岩手県が1,672㎏です。(令和3年 農林水産省 特用林産物生産統計調査より)

上記のように、組合全体で算出される漆は国産漆全体の8割を占め、そのほとんどが寺社仏閣等の文化財修復に用いられております。

当組合で生産する漆は、認証委員会の審査とGIの基準をクリアしたものを 「浄法寺漆」として生産しており、品質の高さを証明するブランド名として使用しております。

日本一漆掻き職人のいる町で。

二戸市浄法寺町は日本で一番うるし掻き職人がいる地域であり、現在は40名超の職人が毎シーズン漆を掻き取っています。
昔から漆の産業が盛んであることの証として、地名にも漆沢、漆畑、漆原などが残っています。

1940年代以降、プラスチック製品や海外の漆の普及により、全国的に漆も職人も減少しました。

それをくい止めようと、浄法寺では昭和53年(1978年)からウルシの木の植栽を始めました。現在では国内最大の漆原木資源を誇る地域となっております。

11月13日のうるしの日には二戸市主催の記念植樹も行っており、当組合も参加しております。。

浄法寺漆産出エリアについて

「浄法寺漆」認定エリアは岩手県全域の他、隣接する近隣市町村からなり、当組合所属の漆掻き職人が責任を持って掻き取ったもののみが浄法寺漆として販売されております。

<青森県>
三戸郡、八戸市、十和田市

<岩手県>
全域

<秋田県>
鹿角郡小坂町、鹿角市、大館市

各種認証制度

当組合では、浄法寺漆の品質を維持・証明するために下記の証明を取得しており、質の高い漆を生産することに努めております。

地理的表示(GI)保護制度

地域で長年育まれた特別な生産方法によって、高い品質や評価を獲得している農林水産物・食品の名称を品質の基準とともに国に登録し、知的財産として保護するものです。

浄法寺漆認証

国内唯一の漆の認証制度。
二戸市が設置する第三者機関の浄法寺漆認証委員会が認定した漆には、ブランドマークが付けられます。

漆文化を次代に繋ぐために。

漆の木は、通常一年で漆を採りきり、シーズンが終わるたびに伐倒します。そしてまた漆が取れる木になるまでに15~20年もの月日がかかります。そうなると、毎年採るだけの漆生産ではいつか木がなくなってしまい、満足な収量を確保できなくなってしまいます。

漆が採れる木がなくなってしまえばそれを生業とする職人も減り、国内の文化財や伝統工芸へ与える影響も計り知れません。

市内全域では、ウルシ林が144ha、ウルシ原木数が14万本となっております。二戸市の取り組みとしてウルシ苗木補助制度を定めることで、地域一丸となってウルシ苗木植栽を推進しています。

直接販売をしております

貴重な国産漆「浄法寺漆」。
主に重要文化財への使用をされておりますが、その質の高さから伝統工芸品にも多く使われており、需要が多くなっております。

当組合では「浄法寺漆」を1貫目から販売しておりますので、個人で漆芸を手掛けてらっしゃる職人さんにもご利用いただけます。
※1kg以下の場合はシーズン前に事前予約をいただければ対応できる場合があります。

外国漆と異なり、収穫時期による指定も可能ですので、工程に合わせた漆を用意できる点も強みです。ぜひご連絡くださいませ。